2024.07.09
丹沢農場の新工場が稼働します
1962年創業の丹沢農場(愛川町/旧:中津ミート)は生産者と消費者が手をつなぐ会の創設メンバーで、47年もの長い間おつきあいをさせていただいています。養豚から無添加での加工品製造までを一貫して行っている農場ですが、2024年8月に加工品の新工場が稼働することになり、事前見学会に行ってきました。
従来の工場の2倍の広さがあり、原料の枝肉の受け入れから出荷まで、クリーンで製品にも人にも配慮された環境を実現しています。まだ機械類が入る前なのでがらんとしていますが、肉をミンチにしたり、ウィンナーを燻製する機械なども新設し、よりおいしく品質のよいものを届けられる工場として設計されています。空間にゆとりがあり、働く人にとっても動きやすくなることが想像できました。
丹沢農場のこだわり
1.安全・安心な飼料の使用
遺伝子組み換えの混入を防ぐため分別生産流通を行ったトウモロコシと大豆粕を使用、さらに国産玄米やサツマイモ、大麦等を使用することで脂に甘みのあるおいしい豚肉を生産しています。肥育期の飼料には一切の薬剤を使用していません。
2.アニマルウェルフェア(動物福祉)の精神
アニマルウェルフェア(Animal Welfare)とは、感受性を持つ生き物としての家畜に心を寄り添い、誕生から最期まで、ストレスをできる限り少なく、健康的な生活ができる飼育方法をめざす畜産のあり方。いずれ肉としていただく命であっても、生きている間はその動物ほんらいの行動ができる環境で育てるという考え方です。豚舎の寝床には厚さ1.2mのおがくずを敷き詰め、微生物が糞尿を分解することで臭いのしない快適な環境が作られています。
3.温屠体の使用とシンプルな製法
屠畜直後(8時間以内)の温かく鮮度の高い豚肉を使用することで、結着剤など添加物に頼らずに加工肉製品を製造しています。香辛料と調味料だけで仕上げた自然な色と味わいが他にはない特徴です。
飼料代や燃料費が年々上がり続けてきたことに加えて、ウクライナ戦争と円安という要素が加わって、畜産業はかつてないほど大変になっているとのこと。丹沢農場は消費者と直につながる宅配が主な出荷先だったので、価格もお互いに協力するということができましたが、一般の畜産関係では廃業も相次いでいるそうです。
輸入飼料に頼ってきた日本の畜産業ですが、自給率を高めるとりくみを加速せざるをえなくなってきています。丹沢農場でも飼料米の割合を30%程度まで高め、食味の面からもサツマイモなども積極的に与えるようにしてきました。神奈川という人口の多い土地で畜産業をするには、地元の理解を得るまでにも紆余曲折があったそうですが、今では農場の堆肥が近隣の農家に必要とされていたり、ふるさと納税の返礼品や特産品として各方面で紹介されるなど、地域に根差した産業として成長し続けています。かなちょくの宅配では丹沢農場の精肉と加工品をたくさん取り扱っています。味わってみたいと思われる方は、ぜひお問合せください!
遠くに大山、丹沢を望む愛川町にあります
右から社長の松下憲司さん・娘で取締役の濱川葵さん・営業部長の太田雄大さん